[11.08] 次期SEC委員長は誰なのか?
久しぶりのニュースレター投稿です。米大統領選を終えて一段落したクリプト市場ですが、クリプト市場の今後を左右するSECの新しい委員長について、海外を中心にさまざまな臆測が飛び交っています。
個人的な予想と、世論をまとめて情報整理を兼ねた内容を投稿します。
ゲンスラーについて
ゲンスラーは現在のSEC(米国証券取引委員会)の長であり、暗号資産市場の中でも最も重要な人物の一人と言っても過言ではないでしょう。
次期SEC委員長の議論が先行する一方で、ゲンスラーがすでに委員長の座を退いたという訳ではありません。ゲンスラーの任期は2026年まである一方で、トランプ氏の新政権への交代を期に退任することを明らかにしているのが現状。
暗号資産市場からも厳しい意見を持たれていることが多く、最近ETF関連で何かと話題の多い、リップルCEOも「ゲンスラーを退任させろ」と言っていますが、業界全体からも近しい意見があるでしょう。
ゲンスラーは暗号資産市場に「詐欺師、ペテン師が多くいる」と言っていたが、それは正しいと言えるでしょう。とはいえ、正しい規制とはなにか。SECのあり方を正していくうえで、不透明な規制は業界の発展を阻害しているとも言える。従ってこの業界の共通の敵となっていたのだろう。
注目されるロビンフッド
トランプ新政権もSEC委員長に指名を検討しているダン・ギャラガー(Dan Gallagher)氏は、現在暗号資産領域のサービスも提供しているロビンフッド社で、法務面を束ねるCLO(Cheef Legal Officer)を務めています。
以前よりSECとは関係のある人物で、2011年から2015年までの5年間、SECで委員の一人として活躍していました。暗号資産市場や関わる規制に関して非常に寛容で、暗号資産を証券に分類せず、新たな資産クラスのものとして定義することで、新たな枠組みの規制を行っていくとも話しています。
元SEC委員は候補として有力か
先ほどのギャラガー氏のバックグラウンドにもあるように、SECに関係のある人物は次期SEC委員長として候補に上がる可能性を大きく上げていると考えられます。
その裏付けに第二の候補として掲げられているのが、元SEC委員のポール・アトキンス(Paul Atkins)氏である。彼はPatomak Global PartnersのCEOでもあり、話が脱線しますが、確か3週間前ぐらいに来日していた気が。トランプの元経済政策アドバイザーでもあり、トランプに近しい人物でもあることから、今回の委員長への指名に期待が上がっています。
その他は誰が候補なのか
その他にも何人か候補に挙がっているので、箇条書きでまとめます。
Robert Stebbins(元SECの法務顧問、カルガリー大学社会学科の名誉教授)
Mark Uyeda(2022年から現SEC委員の一人)
Christopher Giancarlo(元CTFTの委員長)
Hester Peirce(SECの委員で弁護士、金融市場WGのディレクター)
しかし彼自身は望んでいないとの報道も。
Chris Brummer(ジョージタウン大学国際経済法研究所の法学教授兼学部長)
Erica Williams(2021年から現SECの公開会社会計監視委員会で委員長)
Heath Tarbert(CTFTで2019年から2021年まで14代委員長)
決定するのはいつ?
トランプ新政権によって今後数週間で最終候補のリストまで絞られ、新SEC委員長の任命は、そのリストをもとに行われます。少なくとも今月はSEC委員長に関する情報がたくさん出るかと思います。今後の暗号資産市場の方向性が決まる大きな決定とも言えるので、市場にも大きく反映されることが想定されます。
すでにトランプ氏の当選によって、ロビンフッド社の株価が急上昇し、ATHしたことを考えると、SECの新委員長が誰になるかによって、主要な暗号資産の価格変動も十分考えられます。今後のニュースには期待ですね。