世の中にたくさんあるトークンたちは、アイコン画像はもちろん名前などで判別しますがいちばんみなさんが目にするのは、3~6文字の「ticker symbol」でしょう。
プロジェクトの名前を省略して表現できるため視認性もかなりいいですよね。しかしさまざまなbridge protocolの乱立やbridgeしたトークン、LPトークンの命名規則がないことから却って分かりづらくなってしまっています。
今回はBalancerの脆弱性が発表された時のエグく長いpoolの名前について、自分の復習も兼ねて調べ直したのでアウトプットしたいと思います。
本日の雑談
いやああ、この意味わからないのほんとどうにかならないんですかね。DeFiをある程度触っている人たちなら見慣れてる光景ですが、にしてもBalancerを久々に覗いたらなんだっけな状態でした。しかも初めてBalancerを見た人たちがpool名で悶絶してるのをTLで見かけまして、、、
最近はLSDに入れるともらえるLSTをwrapしたトークンを、元本と金利を分離する系で分割して、その片方で流動性供給してファーミングとか。マジでLPトークン見ただけじゃ訳がわかんなすぎて笑笑
aaUSDC、abUSDC、acUSDC、aeUSDC、afUSDC、、、問題も残されているので、明日のニュースレターではここ周りを話したいと思います。
Balancerについて
本題に入る前にちょっと「Balancer」について最低限の知識を共有します。
BalancerはEthereum、Polygon、Avalancheといったマルチチェーンに展開しているDEXです。でもなんでBalancerが使われているかっていうと、pool作成時にさまざまなpool curveとpool typeを設定できる点がプロジェクトにとって魅力的だからです。
従来のAMMの仕組み「x * y = k」を採用した50/50 pool
pool比重をカスタムできるcustom weight pool(例: 80/20)
ステーブルコインやwrapped token向きのstable pool
Boosted poolのようなnestされたpool
pool比率が可変のpool(例: Liquidity Bootstrapping Pools)
集中流動性pool(Concentrated liquidity pools)
パラメータをカスタムできるManaged pool
protocolを上に構築できるpool(例: Gyroscope)
このカスタマイズ性の高さが故にLPトークンの表記が複雑になっているのですね。この機能リストをみたら利便性とのトレードオフで仕方ないような気がしてきたので、これらのpoolを表すpreffixやsuffixを解読できるようになりましょう。
bb-
頭につく「bb-」は「Balancer Boosted Pool」の略です。Composable Stable Poolsの一種で、swapperとLPの双方にメリットの大きい流動性poolです。かつBalancer外(AAVEなど)で利用中のトークンをペアとして流動性を提供するので資本効率が良いのも特徴の一つです。
a-
頭につく「bb-」の次につく「a-」は、AAVE V3にdepositしたときに発行されるaTokenを表す単語です。最近「Balancer Boosted Aave USD」から「Balancer Boosted Aave V3 USD」になったのですが、こっちではwrapped aTokenを表します。
e-
頭につく「bb-」の次につく「e-」は、Euler Financeにdepositしたときに発行されるeTokenを表す単語です。Eulerがハッキングされた件が解決していないので、該当するトークンを含むpoolはリカバリーモードに入っています。
g-
頭につく「bb-」の次につく「g-」は、Gearbox Protocolにdepositしたときに発行されるdToken(diesel)を表す単語です。「Balancer Boosted Gearbox USD」自体は、bb-g-USDCとbb-g-DAIで構成され、それぞれが「USDC/dUSDC」と「DAI/dDAI」のLPトークンです。
i-
頭につく「bb-」の次につく「i-」は、Idle Financeで発行されるYield TokenのIdleTokenを表す単語です。IdleTokenのBoosted Poolは、bb-i-USDT、bb-i-USDC、bb-i-DAIで構成されており、それぞれが「idleUSDTJunior4626/USDT」と「idleUSDCJunior4626/USDC」と「idleDAIJunior4626/DAI」のLPトークンです。
s-
頭につく「bb-」の次につく「s-」は、DAIのDSRのSaving Pool DAI「sDAI」を表す単語です。もう一つの意味のSturdy Financeの「s-」もありましたが、現在は使用されていません。いまはまだRaftのRとのペアしかなく、「bb-s-DAI」は「DAI/sDAI」のLPトークンです。
t-
頭につく「bb-」の次につく「t-」は、Tesseraの発行するsAPEとAPEのLPトークンを表す単語です。bb-t-stkAPEが「sAPE/APE」のLPトークンで、これとwstETHでpoolが作られています。
yv-
頭につく「bb-」の次につく「yv-」は、Yearn VaultのyvTokenを表す単語です。yvx/xペアを3Crv銘柄で混ぜた「bb-yv-USD」がありましたがいまは稼働していません。
ma2-
頭につく「bb-」の次につく「ma2-」は、Morpho-Aaveで発行されるERC4626のmaTokenを表す単語です。「Balancer Boosted Morpho-Aave USD」は、bb-ma2-USDCとbb-ma2-DAIとbb-ma2-USDTで構成され、それぞれが「USDC/maUSDC」と「DAI/maDAI」と「USDT/maUSDT」のLPトークンです。
ma3-
頭につく「bb-」の次につく「ma3-」は、Morpho-Aave V3で発行されるERC4626のmaTokenを表す単語です。「bb-ma3-weth」は、「ma3WETH/WETH」のLPトークンと、wstETHで構成されています。
insta-
頭につく「bb-」の次につく「insta-」は、Instadapp Liteのトークンを表す単語です。以前は「bb-insta-WETH」がありましたが、いまはこのpoolがありません。
80x/20y
80<トークン名x>/20<トークン名y>という名前のトークンは、Oracle Weighted Poolでぞれぞれのpoolのトークン比率を表しています。この場合はxが80%でyが20%ということです。代表的なpoolは「B-80BAL-20WETH」です。ここの数字は合計が100になれば問題ないので他の比率のpoolももちろん存在しています。
もっと複雑なものだと「50B-80BAL-20WETH-50sdBal」とかがあります。これみなさん解読できますか?笑 答え合わせをしておくと、「B-80BAL-20WETH」が50で「sdBal」も50の半々のpoolということです。
8020の仕組みなどに関してはまた別日のニュースレターで配信します。
さいごに
なんかこう見たら簡単に見えてきましたね、発行元protocolの頭文字を取ってるので意外と良いのかも、、、あと後ろにつく「-BLP」って何のことか知ってる方いますか?なんかRのpoolにはついてるんですが何か分からずでして、、
あと他にもあるかなと思いBalancerのwhitelist見てたら、まじで意味わかんないtickerのトークンがあったのでこれはまた今度解説して出そうと思います。
明日はbridgeトークンの乱立のお話と、命名規則に関して提唱している「Galaxy」についてを話そうと思います。まだメールアドレスの登録が完了していない人はぜひこの機会によろしくお願いします。