みなさんGWをいかがお過ごしでしたでしょうか?私はというと、なんだかんだバタバタな連休を過ごしておりまして、やっと落ち着いた火曜日の深夜未明。夜中の1時にかなり目が冴えてしまったのでパソコンに向かってキーボードを打っています。
そしてみなさん、クリプト業界の資金調達に関するニュースは見ていますか?最近の傾向として取引所の出資案件が少し減少傾向にある一方で、大手VCやこの前のベア相場を乗り越えた資金力のあるファンドの出資が目立っています。
そこで最近よくみるファンドの中で、気になるのに調べてなかったところがあったのでそこの概要とポートフォリオを少し話そうかなと。ちなみに自分の好きなファンドは「Jump Crypto」と「Hashed」です、あなたはいかがでしょうか?
ABCDEについて
まずこの「ABCDE」の正体はなんなのでしょうか?この手のブロックチェーン特化型のVCは業界人が立ち上げたケースが多いです。
まず創業者は、HuobiやChainUpの共同創業者で、新火科技(Sinohope Technology Holdings)の代表取締役を務めるDu Jun氏。百度(Baidu)に売却したLijiaoshou社の共同創業社で、Web3ハッカソンを企画・運営するBeWaterを立ち上げたBMAN Lee氏の2人です。両者ともに10年以上前の、早期タイミングからブロックチェーン業界に携わっており、確かな実績があると言えますね。そしてファンドの規模も400Mと独立系のファンドの中でも比較的大きめで、実績と確かな事業領域の目利きへの信頼度が生んだ結果と十分に言えますね。
またこのファンドのABCDEの名称は「A Blockchain Centric Development Ecosystem」の略で、その名の通り、ブロックチェーンを取り巻く開発エコシステムへの出資を行っています。これらを踏まえたうえで実際にどういったプロジェクトに投資を行っているのか一緒に見てみましょう。
ABCDEのポートフォリオ
ここからはABCDEのポートフォリオを見ていきます。こういったファンドの実績や資金調達の履歴、ポートフォリオを確認する際は「Crunchbase」や、ブロックチェーン領域であれば「Messari」や「CryptoRank」を利用することが多いですが、いずれも詳細情報の閲覧は有料なので、「CRYPTO fundraising」というサイトで見ることをおすすめします。こちらはリアルタイムで資金調達のニュースを配信してくれるTelegramも存在しており非常に有用です。また資金調達の情報も無料でかなり詳細に確認でき、リサーチ時間を短縮できます。
少し話が脱線しましたので話を戻すと、ABCDEが最初に投資を行ったのは2022年9月のこと。今後もう個々まで下がらないだろうといえる1万ドル台までビットコイン価格が下落した激動の渦中だったと言えます。
2024年5月7日現在で総投資件数が公開されているもので23件、2022年に1件、2023年に13件、2024年に9件という割合です。有名な投資先だと、UniSat、Babylon、Matr1x、GRVT、PolyHedera、Particle Networkなどでしょう。次にABCDEの投資領域を分析してみましょう。結構面白い傾向が見えますね。
最初の投資は0xScopeで、データ分析系。次がNFEXなのでDEXといった初期は個人も触るアプリケーションに近い分野への投資を行っていました。該当ラウンドが単独で行われていたものでもなく、いずれも調達額が3Mなので大きな額の出資は行っていないと予測できます。
次の投資がCysic、Particle Network、PolyHederaとZK系、インフラ系が増加してきます。また10Mを超えるものもでてきて、大口の出資も増えてきたのでしょう。またここらへんの2023年前半のタイミングからCoinCatchやGRVT、Surf Protocol、Manta ExchangeのようなDeFiへの投資も加速します。2023年は投資件数を大きく伸ばすことなく、その他の投資先だと、BeWater、GasZero、Matr1x、Babylonと言ったところでしょうか。実はこの年末のBabylonへの単独出資のときから大きく流れが変わります。実は今年の領域は1件を除きある領域のみの出資となっています。
今年の投資先を見てみましょう。DeBox、B2 Network、BitSmiley、Bitmap Tech、Merlin Chain、UniSat、Riema Labs(Nubit)、Bitlayer、Chakraの9件です。おわかりでしょうか、DeBox以外全部Bitcoinエコシステムに分類できます。Babylonから舵を切ったかのようにBitcoin系への投資を加速させています。投資ペースも2023年全体を上回るスピードで、市場の成長への期待感が伺えます。あとこのBitcoin系の8件のうち、6件がOKX Venturesとの共同出資なので、さすが中華系というのと、HashkeyやAmberと出していることが多いのもまさにそれですね。
さいごに
今回のニュースレターの内容は、ニュースレターの名の通りほんとに自分の脳内整理とアウトプットの掃き溜めとして使いました。こういった資金調達を振り返っていて特に面白いのはいままさにいるブル相場。資金調達からTGEを予測し、エアドロのアロケーションを効率的に獲得できるというもの。どことは言いませんが、取引所系からの出資があると、数ヶ月以内にほとんどがトークン発行して、自分たちの取引所に上場させてるなあ、、みたいな!
ここらへんは継続的にみているので書きますね。