暗号資産は常に投機的に取引されているのでしょうか、部分的にそうで部分的にそうでないといえますがほとんどの人が投機的に取引しているのが現状でしょう。
ハイレバをかけた無期限先物取引(perp)もかなりのものだと思いますが、先日紹介した虚無先物のIOUを提供するprotocolがまた増えましたので紹介します。今回紹介するのは「Hyperliquid」、IOUについてはこちらを見ていただけると↓
先日のAevoについて少しだけ復習をしておきましょう、また本文中でAevoと違う点も見ていくことでより理解を深めていきましょう。
Aevoとはonchain option prptocol系のoption DEXので、母体は同じくoption系を開発しているRibbon Financeです。AevoもIOUを「Pre-Launch Token Futures」として提供しており、先日トークンがローンチしたSEIの上場前虚無取引を提供したことで国内でも話題になりました。ちなみに現在はBANANAがPLTFで取引できます。
ではこのAevoと比較していきながらHyperliquidの詳細をみていきましょう。
Hyperliquidとは
Hyperliquidとは独自L1の上に構築されたorder book方式の無期限先物取引を提供しているDEXです。誰でも完全な透明性を兼ね備えた状態のセルフカストディ方式で、低コストかつ最高の環境にアクセスできるアクセスの民主化を目標にしています。
Hyperliquidを運営しているのはChameleon Group、もともとは2020年からマーケットメイク業務などをやってたみたい。このチームはコアメンバーはハーバード大学の同級生のJeff氏とiliensinc氏によって構成されています。他メンバーには有名な大学とかWeb2スタートアップで働いていた人がチームにいる強いチーム構成ですね。
元々はArbitrum Goerliでオフチェーンの注文マッチングを行っていましたが、独自チェーンのHyperliquid L1をTendermintベースで開発し、現在はその上で構築されているので注文、注文のキャンセル、清算などのすべての取引プロセスをオンチェーンですべて完結させている点が特徴ですね。
一方でAevoも独自のL2チェーン上に構築されていますが、チェーンの詳細については「custom EVM roll-up that rolls up to Ethereum」としか書かれていません。よくよく考えるとこういうgas代高い処理が必要な系protocolや高いスケーラビリティが求められる系protocolのapp-specific chainへの移行は着実に進んでいますね。
性能をチョット深掘り
Hyperliquid L1は1からカスタマイズされて構築されたL1で、パフォーマンスの高いデリバティブ取引所を構築するためだけに作られました。独自チェーン上に構築されているって見たときに最初はOP Stackとかを使っL2チェーンかなと思ってたんですが全然違うみたいです。Hyperliquid L1で管理している情報はすべての注文とユーザーの証拠金などの残高に関する内容です。
チェーンのコアとなるコンセンサス部分にはE2Eでの通信にかかる時間がいちばん最適化されている「Tendermint」を採用、主要なブロックチェーン構築の技術スタックで有名所だとBSCとかで、Polygon PoSのPeppermintもベースはTendermintです。
また効率的なbatch処理によって秒間20,000txの処理をサポートし、他のL1チェーンと比較して高スループットな環境を実現。またこだわりポイントとして最初にも触れた部分ですがチェーンのパフォーマンスの最適化を図るためにCosmos SDKなどの他のフレームワークに頼ってないとのこと。
ちなみにコンセンサスアルゴリズムにはProof-of-Stake(PoS)を使用しているみたいで、ステーキングなどに関する情報はTGE時に発表とのこと。
IOUの詳細とAevoとの違い
本題のIOUの説明に入りますか、元々Hyperliquidでは主要アルトの取り扱いよりも早くからMeme銘柄のperp上場を行っていました。他のperpDEXをみる限り取引高を上げやすい主要銘柄から順番に上場させていました。
なのでIOUに期待していた方も実際いたかもしれません、でもなんでIOUに一定数の人気があるのでしょうか。そもそもこのベアマーケットの中で5%や10%といった大きな値幅で動く銘柄が少なくなったので、流動性の少ない新規上場系に資金が流れるのはわかります。それに加えて私は下記のように考察しています。
トークンローンチまでの時間が前より長くなった
エアドロ示唆を過度に利用してユーザー数を増やすマーケが横行
トークンローンチ前に利確したい人が両建てをすることの需要増
プロジェクトへの期待感でローンチ前からトークンを買いたい
ここらへんではないかなと思います。次に何が取引されているのかみてみましょう。
いまHyperliquidで取引されているIOUはLayer Zeroの「ZRO」です。取引高はこの10時間で4万ドル、OIは1万ドルちょいと話題になったわりにはかなり閑散としていますがAevoより全然板が薄くなくて遊べそうだなって感じはしますね。ちなみにAevoのPLTF的なIOUの呼び方は、Hyperliquidでは「pre-launch perps」です。
さいごに
執筆時点(2023年9月7日)ではメインネットでローンチされていますが、あくまでアルファ版という状況です。なので現在は完全招待制になっており、招待コードを誰かからもらってこないと使うことはできません。
あと独自チェーンのHyperliquid L1についてまだあまり調べられていないのであれですがHyperliquid L1へのbridge方法がちょっと特殊でして、dYdXだとEthereum上のUSDCやUSDTなどのステーブルなどを持ってきますが、Hyperliquid L1はArbitrum上のNative USDCではないBridged USDC.eを入金用トークンにしています。
USDC: 0xaf88d065e77c8cC2239327C5EDb3A432268e5831
USDC.e: 0xFF970A61A04b1cA14834A43f5dE4533eBDDB5CC8
あとコピトレみたいな仕組みも用意していて、ユーザーが作成したValutに資金を入れることでその人に資産の権限を渡して運用してもらうことができます。手数料は報酬の10%なのでCEXのコピトレとおんなじぐらいの水準ですね。
自分はdYdXヘビーユーザーなのでこういうperpDEXはぜひ使ってみたかったんですが誰か招待コード持ってませんか、、もし持ってたら連絡いただけると嬉しいです!
あと他にもなんか虚無先物出してるprotocolがあったはずなんですけどどこでしたっけ、、これも分かる方いたらぜひ教えてほしいです!ではまた明日朝のOhayoと夜の習慣資金調達、ニュースレターでお会いしましょう。