昨日から再開したニュースレターですが、早速たくさんの方にご覧いただけて大変嬉しいです。気づいたら購読者数も500人を超えていまして、有料登録で支援していただいている方もいて大変励みになります。
今日は実は昨晩ネタを決めて執筆終わっていたものがあったんですよ、しかし夜中にある投稿を見てしまって急遽投稿直前に執筆をしています。
自分が前から触れている好きなトピックの一つ、チェーンの栄枯盛衰。1チェーン1通貨が基本のUTXO時代から始まり、チェーンにアプリとトークンをデプロイする時代への移行、そしてアプリが独自のチェーンを持つ時代へ。OptimismのOP Stackが目指す「Superchain」の概念がまさにですよね。
Hyperliquid 自称L1がAptosのTVLを抜いたことが個人的に話題になってるいま、新たに登場したOP系L2チェーンの「World Chain」について読みながらまとめますか。
Worldcoinなのね
Worldcoinは皆さんおなじみの虹彩IDを発行するプロジェクト、自分はまだ認証をやってませんが毎週アプリでGrantをもらっています。ユーザー数は現在500万人を突破して、日本を初め途上国での認証が進み、ユーザー数を拡大しています。虹彩という生体情報、このセンシティブな情報を管理するとあって、各国の当局より色々言われていますが、確実に成長しているプロジェクトですよね。
ちなみにいまWorld Chainのリリースを記念してパスポートに限定スタンプがもらえるので皆さんぜひ。
根底の思想
もとよりWorldcoinはOptimism推しでトークンの発行も確か、Optimism上で。そして今回OP Stackを利用したL2をローンチし、Superchainとしてスケールさせていく道を選びました。ブロックスペースのほとんどをBOTが占めているいま、人間のほうが優先的に利用できるチェーン、そして日常生活に焦点をあてたプロダクトをWorld ID保有者向けに提供できる場として利用するそう。
これは生体認証でKYC的に人間ということ、複数アカウントを作成しにくいことを十分保証できるWorldcoinだからこそできることですね。
実際に発行したWorld IDってどう使われていくんだろうというのがローンチ当初から気になっていて、色々統合したアプリを見ていたのですが、一番わかり易いユースケースとしてこのチェーンが話されるようになりそうですね。
アップグレードが必要なタイミング
こういった独自チェーンを立ち上げるモチベーションとインセンティブはいくつか存在していますが、今回はよりWorldcoinがスケールしたときのことを考えて、エコシステムでブロックスペースを十分に確保するためにチェーンを立ち上げるとのこと。
OptimismのMainnetを主に使用しているWorldcoinエコシステムですが、一時は全体の80%のtxをWorldcoinが占めるなど、ネットワークを圧迫しているのは事実で、今後10倍、100倍のユーザー数になったときに到底耐えられる設計ではないしょう。
いまでも平均して44%を占めるWorldcoin由来のtxを独自チェーンに移行させることで、コミュニティの成長にあったオンチェーンエコシステムのスケールと、ユーザー体験を維持したままのスケールを目指しています。
人間のためのチェーン
ブロックチェーンはいま、いくつかの問題を抱えています。そのうちの一つに先ほども触れた取引のほとんどがBOT由来だというものがあります。ある試算によるとブロックチェーン上の取引のほとんどにあたる80%がBOTだと。最近盛り上がっているエアドロ用のtx稼ぎBOTや、その他にも色々要因はありますが、人間がブロックチェーンを使うときにこれがプラスになってるわけはないですよね。まずガス代の部分とかが顕著に。
しかもガス代が安く高スループットなチェーンほど、裁定機会も多くBOTの巣窟担っているというなんとも皮肉な、、。これらの状況をWorldcoinのWorld IDでラベリングされたウォレットとして識別することで、人間を優先したチェーンを作れるのでは?と考え、実装しているのがまさにWorld Chain。公式ではXのブルーの認証マークみたいに検証されたアドレスがオンチェーン上にできると話してますね。
しかも認証済みウォレットからのトランザクションにかかるガス代は0、しかもBOTから徴収した手数料で賄う設計にしたいとのこと。
まとめ
独自のスケーリングを目指してチェーンを作る動きは個人的に好きです。チェーン立ち上げブームを見てて、最初は領域特化型チェーンが流行り、次にSolidityじゃないチェーンが流行り、いまはエアドロ演出チェーンが流行りとしている中、すでにTGEを済ませているプロジェクトが出すのも好感ですね。
コンソーシアムチェーンだったり、プライベートチェーンだったり、このニュースレターで紹介したBlueなどもやろうとしていたKYCedな設計とパーミッションレスな性質を掛け合わせているチャレンジには要注目ですね。
またこのようなプロダクトがスケールのためにチェーンを持つことはトレンド担ってきましたが、トレンドのような一過性のものとして評価するにはもったいないもので、これからもたくさんのプロダクトが独自チェーン構築に動くと考えています。また最近ではRaaS(Rollup-as-a-Service)系のインフラも拡充してきたので、Carderaなどを使ってチェーン構築もメジャーになってきたみたいですね。いまはこのチェーン立ち上げにはEthereum L2が主流ですが、このままOP Stackが覇権を取るのか、それとも新たなスタンダードが生まれるのかニュースレターでまた触れますね。
そういえば、昨日の文末と引き続き、限定のZora NFTがでてた(こっちはおそらく公式)ので良ければこちらからぜひ!