今日は9月11日、なんかfriend.techが爆成長していると聞いたんですがなにがあったんでしょうか。めっちゃTLに流れてくるのにまだ調べれてないので、このOhayoが書き終わったら流石に調べてみることにします。
さて私がスキなDeFiといえばまあニッチなやつもあったりするんですが、その中の原資と利回り分離系のTimelessがUniswap V3活用系protocolをローンチしてたみたいで。それも他のLiquisってところを調べてたらちょうど昨日提携した?とか出てきたので今日はこれにしましょうか。まだ昨日のOhayoを見ていない方はこちらから↓
では改めて今日はTimelessが開発するliquidity engineの「Bunni」について解説をします。最近はUniswap V3の流動性を活用したprotocolや、流動性マネジメント系が増えてきているのでぜひこれを機に追ってみてください。
本題に入る前にまずはなぜこのプロダクトができたかにも関わってくる、根本的なDEXの流動性に関する問題点について解説します。
まず流動性を提供するユーザーはなにをモチベーションに行っているのでしょうか、いちばんは流動性供給によって得られるインセンティブですよね。要するにインセンティブのない状態で流動性を集めることは非常に困難です。スワップによって生み出される収益(取引手数料)はかなり限られていて、通常は集中流動性供給を行ったとしてもプールのリバランスから発生するインパーマネントロス(IL)を相殺できるほどのものには到底及びません。
そして上記の流動性問題を仮に高いインセンティブで賄おうとしても全く持続性のないモデルになってしまいます。多くのプロジェクトでは自前でトークンをばらまいて初期の流動性集めのためのインセンティブを用意していますが、インセンティブありきの流動性調達方法はインセンティブがなくなった瞬間に蒸発する質の悪い流動性しか集まりません。
この2つのDEXの流動性問題を解決するべく立ち上がったのが「Bunni」なんです。
BunniとはUniswap V3の流動性にインセンティブを付与するliquidity engineです。
Uniswap V3の流動性ポジションをfungibleなERC-20にwrapするprotocol
Bunniの流動性にインセンティブを付与するためのveTokenシステム
上記の2つの仕組みによって生み出される強固なインセンティブシステムと集中流動性供給を組み合わせ、流動性にインセンティブを与える最も効率的な方法を構築しています。
順番に解説していくとまず1つ目の方は、Uniswap V3は公式には流動性ポジションを表現するためにNFTを使用していますが絶対にそうである必要はありません。しかもUniswapのいまの設計では実はERC-20, 721, 1155のどの形式でも流動性ポジション表すcontractを作成できるようになっています。
なのでBunniでは他protocolとのコンポーザビリティを重視してERC-20を選択しました。これにより、Curveのgaugeの仕組みも一部採用できています。
次に2つ目のveTokenシステムですが少し変わった仕組みが取られています。従来であればガバナンストークンを購入してロックすることでveTokenが発行できていましたが、BunniではBalancerのLPトークンをロックすることでveTokenを発行できます。
Bunni(Timeless)のガバナンストークンは「LIT(Liquidity Incentive Token)」で、veTokenの発行に必要なBalancerのプールは「80LIT-20WETH」です。前にBalancerの呪文の読み方については解説してあるのでぜひこちらを御覧ください↓
それとveTokenっていうぐらいなのでCurveのモデルをベースにはしてて、ユーティリティの醍醐味はプールのboost機能。でもCurveやBalancerのような2.5倍じゃなくて破格の10倍までboost可能とのこと。これでveLITの保有メリットを増やすと。ちなみにveLITの保有インセンティブはこちら↓
ガバナンス投票: 一般的なBunniの運営に関わる投票権
Gauge weightsへの投票: gaugeの報酬分配を決める投票
利回りのboost: 自分が流動性供給するpoolの利回りをboost
Bribeを受け取る: 特定のgaugeに投票することで賄賂を受け取る
Protocol収益の再分配: そのままの意味(まだ実装されていない)
そしてリワードトークンとしてLITを配る変わりにLITのコールオプションをトークン化した「oLIT」を配布。なのでLITを保有してよりインセンティブを得たい、裏を返せば売り圧になる可能性が少ないユーザーに割引価格でLITが渡る仕組み。現在の割引率は50%で投票によって変更することは可能。
最後にFOO(Fungible Ownership Optimization)モデルの採用、噛み砕くとveTokenの保有割合と流動性プールのシェアによって報酬分配の割合が決まるトークノミクスモデルのこと。これは言葉じゃむずいので例をあげて解説します。
Aliceさん: 流動性プールのシェアの40%とveTokenの10%を持っている
Bobさん: 流動性プールのシェアの20%とveTokenの20%を持っている
Charlieさん: 流動性プールのシェアの10%とveTokenの20%を持っている
Danielleさん: 流動性プールのシェアの10%とveTokenの0%を持っている
この時の報酬配分の割合は下記の通りです。
Aliceさん: 10%
Bobさん: 20%
Charlieさん: 10%
Danielleさん: 0%
要するにveTokenの保有割合を上限に流動性プールの割合に報酬が付くイメージ、この場合の4人の報酬を最適化する方法は下記の通りです。
Aliceさん: 流動性プールのシェアを最大30%減らすか、veTokenのシェアを最大30%増やす
Bobさん: このままでOK、報酬の絶対量を増やしたい場合は流動性プールとveTokenの保有量を同等で維持したままそれぞれを増やす
Charlieさん: 流動性プールのシェアを最大10%増やすか、veTokenのシェアを最大10%減らす
Danielleさん: veTokenのシェアを最大10%増やす
このようにもりもりトークノミクスでいまはやってますが、本当に持続性のある形で今後運営できるかは正直まだわかんないです。
一応トークン価格を見てみるとCMCに掲載されてからの価格は下回っていないものの、結局よく見る最初ドカンからの落ちてちょい上げ、ゆるく下落っていうチャートになっているのでまあトークンで完全なユーザーの制御は普通に難しいですね。
TokenWar的にveLIT(80LIT-20WETH)を集めるprotocolが出てきたら価格下落の遅延ができるなあと思って調べて見たらもう既に起こっていました。なるほど、ここにLiquisが入るのね、最初に言っていた謎が溶けました。
今後もこんな感じの変わったトークノミクスをしたプロジェクトは引き続き紹介していきますのでぜひお楽しみに!Bunniと組んでるプロジェクトも新興DeFiメインで面白いのでここらへんを明日紹介してもありですね。
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