今日は9月17日、なんか明日の月曜日も休みで3連休らしいですね。やけに週明け火曜日の予定が多いなと思ってたら祝日でしたわ。てか毎日働いているので曜日感覚なんてもんはとっくにどっかに捨ててきましたわ笑笑
今日はなんの話をしようかなと思ってたんですがまずはみなさん、friend.techについてまだ追えてない方はぜひ昨日のニュースレターを見てください(オススメ)↓
今回のOhayoでは数日前にツイートで触れた「CDPのホルダー意外といない問題」についてちょっと深掘りしようと思います。ブロックチェーンエコシステムの言わば「貨幣」として機能しているステーブルコイン。
しかし貨幣として機能するために必要な交換機能を満たすための十分なホルダー数がいないのではというもの。ここの話はぜひ下記を読んだ上で見ていただけると↓
まず貨幣的に十分な交換機能の要件を満たすためには「保有」もしくは「利用」する人が多いことが広く受け入れられるためには必要です。例えばめっちゃ富裕層の人たちで新たな通貨的なものを発行したとして、人口1億人中500人しか持っていなければそもそも貨幣として成立しているとは言い難いですよね。
ステーブルコインでも交換媒体として機能するためには保有、利用している人が多い必要があります。まずは交換媒体としての機能を十分になしているステーブルコインの王者「USDT」と「USDC」を見てみましょう。今回はフェアに測定するためにEthereumでのEtherscanの情報をもとに比較します。
USDT(Tether USD)
holder数: 4,556,173
transfer数: 199,589,456
USDC(USD Coin)
holder数: 1,777,433
transfer数: 71,182,557
かなり多いholder数とtransfer数ですね、gas代高いEthereumでさえこんだけ持たれていたらそりゃ交換機能として成立してておかしくないですね。他のFiat建てステーブルコインもいくつか見ておきましょう。
BUSD(BUSD)
holder数: 167,312
transfer数: 2,000,641
USDP(Pax Dollar)
holder数: 109,827
transfer数: 3,426,312
TUSD(True USD)
holder数: 51,602
transfer数: 1,514,391
ここら辺はまだかろうじてTUSDがBinanceの取引ペアとして使われているぐらいで、発行停止したBUSDは論外ですし。他のも使われて無いですよね。
次にCDPを見てみましょう、どれぐらいのユーザーが保有して利用しているのでしょうか?これまでの数字を見るとTUSDは最低限holder数で超えないとですよね。順番はDeFillamaで確認したステーブルコインの時価総額ランキングに則っています。
DAI(Dai Stablecoin)
holder数: 496,364
transfer数: 18,004,173
LUSD(LUSD Stablecoin)
holder数: 7,909
transfer数: 388,187
crvUSD(Curve.Fi USD Stablecoin)
holder数: 645
transfer数: 51,227
sUSD(Synth sUSD)
holder数: 14,958
transfer数: 940,062
MIM(Magic Internet Money)
holder数: 6,006
transfer数: 266,402
DOLA(Dola USD Stablecoin)
holder数: 824
transfer数: 66,177
mkUSD(Prisma mkUSD)
holder数: 140
transfer数: 3,769
eUSD(eUSD)
holder数: 260
transfer数: 1,225
ここではDAIのみ条件を満たしており、一部のマイナーなCEXで取引ペアとして使われていたりDEXの上位に出てくる理由がわかります。こうみると本来あるべきステーブルコインの機能を持たせようとしていないステーブルコインが多いですね。
普通に個人的な意見になるんですが「なんで」ステーブルコインを目指しているのかわからないプロジェクトがマジで多くて、最近のCDP界隈を見てて結構意味がわかんないんですよね。LST担保にできる点はめちゃくちゃ大賛成で今後も増えてほしいなと思う一方で、USDTやUSDCのキラーステーブルコインは出てこない。
正直な話をすると今後これらのステーブルコインが10倍、100倍、1000倍のholder数になったところでみんなが基軸通貨として保有、利用する未来は見えますか?反論としてそこを目指していないから大丈夫みたいな話を聞いた事があるんですが、じゃあ何を目指しているんだろうっていう。
そもそもCDPのいいところとして推していきたいのは、Fiat建てのLending利用よりも金利の急激な変動が起こりにくい設計だと思っています。前にUSDCがdepegしたときに起こったことを思い返すと大混乱が起こって安い値段でも市場で売却したい人たちが増加し、Lending protocolからの出金が相次ぎました。
その時USDCのborrowerはpoolの利用率が急激に上がったため、20%を超える金利を支払わないといけないようになりました。こんな仕組みがCDPでは起こりづらいと、担保として預け入れられた資産を再運用していなかったり、貸主がいなくても成立する仕組みなので、protocol側に手数料を払う一方通行になりますが、LST側で利回りを受け取れていればほぼほぼ問題ない的な。
ほんとにFiat建てステーブルコインが良いのか、DAIなどのCDPを頭ごなしに否定していないか、CDPを全肯定するのも良くないのでたまにステーブルコインについて考えてみていただけると嬉しいです。
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